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オナニーの達人 仙人がやさしく教える、からだの練習帳

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第1章 からだのしくみを知ろう

⏱ 読む時間の目安:約5分

ようこそ。ここは「オナニー道」の入り口なんだ。武道や茶道と同じで、いきなり奥の技から始めなくていいよ。まずは自分の体の地図を手に入れるところから、一緒に歩いていこう。

外から見える部分

脚のつけ根のあいだにある、外から見える部分をまとめて「外陰部」と呼ぶ。上から順に、ふっくらとした丘(恥丘)、外側のひだ(大陰唇)、内側の薄いひだ(小陰唇)がある。内側のひだが上で合わさるあたりに、クリトリスの先端がある。先端は、皮膚のフード(包皮)に守られている。その下に尿の出口(尿道口)、さらに下に腟の入り口(腟口)が並んでいる。

ひだの大きさや左右の違い、色、フードが先端をどこまでおおっているかは、人によってかなり違う。クリーブランド・クリニックの解説も、人による違いをはっきり書いているんだ。フードが先端を全部おおう人もいれば、一部だけの人もいる、とね。教科書の図と形が違っても、それはあなたの個性だよ。

女性のからだ(外側)の名前 毛が生えるふくらみ(恥丘) クリトリスをおおう皮(陰核包皮) クリトリス(陰核亀頭) おしっこの出口(尿道口) 腟の入り口(腟口) 内側のひだ(小陰唇) 外側のひだ(大陰唇) 腟とおしりのあいだ(会陰) おしりの穴(肛門)
形・色・大きさは人それぞれで、どれも「ふつう」です。医療の資料をもとに、かんたんにして描いた図です。
クリトリスの全体の形外から見えるのは一部。多くは体の内側に広がっています ↑ 体の内側 ↓ 外から見える さきっぽ(外から見える)(陰核亀頭) つけね(陰核体部) 左右にのびる部分(陰核脚) ふくらむ部分(前庭球)
海外の研究をもとに、かんたんにして描いた図です。大きさや形は人それぞれです。
気持ちの高まりの流れよく知られた4つの段階。流れ方は人それぞれで、毎回同じとは限りません 時間 → 高まり ↑ わくわくし始める(興奮期) 高まりが続く(平坦期) いちばん高いところ(オーガズム) おだやかにもどる(消退期)
1960年代の研究(Masters と Johnson)で知られた4つの段階を、かんたんにした図です。気持ちの高まりから始まらない流れもあるという考え(Basson, 2000)もあり、届かなくても失敗ではありません。

見えない内側のしくみ

クリトリスは、外から見える小さな先端だけではない。オコンネルらは、おしっこの通り道を専門にする医師(泌尿器科医)だ。体を直接調べた記録(解剖)や、体の中を写す画像検査(MRI)の研究を見直した。そして、クリトリスが体の奥へ立体的に広がる器官だと示した(O'Connell ら, 2005)。先端の奥には、胴にあたる部分(体部)がある。そこから左右に「脚」が伸びている。腟の入り口の両わきには、スポンジのように血をためる組織(前庭球)もある。全体では9〜11cmほどの大きさだと説明されている。

先端には神経がぎっしり集まっていて、その数はおよそ1万とも言われる。ただしこれはおおよその見積もりで、資料によって数字は違うんだ。性的に高まると、脚や両わきの組織に血液が集まってふくらむ。腟の潤いも増えていく(MSDマニュアル家庭版)。

気持ちよさが高まる流れ

性の反応は、ざっくり「したい気持ち(欲求)→ 高まり(興奮)→ オーガズム → 落ち着き(消退)」という流れで説明される。オーガズムとは、ひとときだけの頂点の感覚だとされている。強い快感とともに、腟のまわりの筋肉がリズミカルにきゅっと縮む(収縮)。そのあと満ち足りた感じとともに、力が抜けていく(Meston ら, 2004)。同じ論文には、こうも書かれているよ。女性のオーガズムは、性器だけでなく、いろいろな場所への刺激で起こりうる。そして、人によってさまざまな形がある、とね。

多くの人は外側への刺激で届きやすい

アメリカの大人の女性1,055人を対象にした全国調査がある。性交(腟への挿入)だけでオーガズムに十分だと答えた人は18.4%だった。一方で36.6%は「クリトリスへの刺激が必要」と答えた。さらに36%は「必要ではないが、あるとより良い」と答えている(Herbenick ら, 2018)。

オーガズムに、クリトリスへの刺激は?挿入だけで十分18.4%クリトリスへの刺激が必要36.6%必要ではないが、あるとより良い36%
出典:Herbenick ら(2018)。アメリカの大人の女性1,055人の全国調査。ほかの答えもあるため、合計は100%になりません。本人が答えた調査です。

また、古い記録を、数字をもとにもう一度分析し直した研究(統計的な分析)もある。クリトリスと尿の出口の距離が短い人ほど、性交中のオーガズムが起こりやすかった、というものだ(Wallen & Lloyd, 2011)。体のつくりの違いによって、届きやすい刺激が人ごとに違うのかもしれない。その手がかりのひとつなんだ。

これらの研究が示しているのは、「そう答えた人が多い」「そういう関係がある」というところまで。対象はアメリカの人たちで、アンケートでの本人の答え(自己申告)や昔の記録にもとづいている。どちらもパートナーとの性交についての調べだ。ひとりのときに誰でも同じとは言えない。また、距離が原因で届き方が決まる、という原因と結果のつながり(因果関係)まで証明したものでもないよ。

挿入だけで届かないのは、あなたの体が「おかしい」からではないんだ。むしろそれが多数派かもしれない。自分の地図を知るだけで、道はずいぶん歩きやすくなるよ。

オーガズムは「義務」ではない

ここは何度でも伝えたい。オーガズムに届くかどうかで、あなたの価値は決まらない。届き方の強さや回数は、人によっても日によっても変わる。届かなかった日でも、心地よさを味わえたなら、それは十分に意味のある時間なんだ。

この道の正解は人それぞれ。誰かの手順をそのままなぞらなくていい。自分の体と相談しながら、自分だけのやり方を少しずつ見つけていくものだよ。

焦らなくていいよ。まずは「知る」こと。それが、いちばん大事な最初の一歩なんだ。

修行のお題 明るい場所で手を洗ってから、手鏡で外から見える部分を見てみよう。触らなくても大丈夫。この章に出てきた部分の名前を、ひとつずつ見つけてみてね。

参考にした資料

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